立証妨害の果てに。

「まあ~こんな人もおるのが世の中。」

「またまたほぼ確定…かな?」

「ま~~~たやっちゃった人;;」



事件は、これまでやんわりと回りくどく説明してまいりましたが、まだ終結していません。

事件が終れば、説明できるんですけど…






まあ、概略は前の記事から推理していただくことにして。

現在、建物の一部に時効取得が成立するか?という論点で争う段階に入りつつあります。

…殆ど聞いたことが無いと思うんですよね;;


で。
相手方弁護士は、最初から盛んに「建物の一部に時効取得が成立する訳がない」「一物一権主義をしらんのか(嘲笑)」という態度に終始してきましたが、裁判官が時効取得の審理に入ることを暗に示してからは、盛んに訴訟を妨害するようになりました。

市役所に何らかの圧力をかけ、裁判官が必要としてとても注視している「市の図面」を、一度ならず二度までも出させないようにしたのです。

※実際、書記官のお話から、市当局とのかなりの回数のやり取りがあり、その中で市側から弁護士が絡んでいることが仄めかされていたらしく、裁判官は立証妨害の疑いがあると、とても怒っておられたとのことで、書記官もかなり怒っていた。



…でも、ワタクシたちは、最初から準備していた。

この図面が死命を分ける可能性が高く、それまでの相手方の主張を粉々に粉砕しかねない物だったから、手に入れる必要があったのですが、難なく手に入れていたのです。訴訟よりも前にね。

何故なら、ヤツらは、登記の添付書類の中に、市の図面を写真に撮って提出していたのだから。

こちらは、訴訟前に既に添付書類を閲覧・撮影していて、その他攻めるところも証拠も取りそろえてから、知らんふりして譲渡禁止の仮処分を申し立てていたので、最初から攻め手は沢山持っていたのです。

今回、満を持して証拠として開示するため、その添付書面で出されていた図面を写真で撮って提出。裁判官は「助かった。これで審理する」と言っていたそうです。

(※前回期日に依頼人が図面コピーの一部を裁判官にだけ見せていたので薄々勘付いていたが、明確な証拠として掴んでいるとは思っていなかったようだった。だから、提出されなければ立証手段がなくなり、こちらが不利になると思い込んでいたようだ。)




さて、相手方の法律的反論です。

今回の建物は、中が壁で完全に区切られ、各戸に専有(時効取得では『占有』)部分を持っていたケース。

相手方弁護士は、このように言ってきました。




①共有権は時効取得の対象にならない。


…う~む…時効取得のあり様では共有権もあり得ると思うんだけどな;;

まあ、面積的な割合で証明すれば、共有権はあり得ると思う。


②建物の一部も、その範囲の明確性、独立性がある限り、時効取得の対象になる。

この場合、区分所有法第1条の「構造上の独立性」がなければならない。



ふむふむ。なるほど。
この点には反対はしない。



③本件建物の場合、『天井は簡単に外せるし、天井裏は区切りが無く、空間が繋がっている』から独立性はない。















は??


本気で真面目に言ってんの?


アンタ、ちゃんと定義を調べて言ってんの?


現地調査はちゃんとしたの?!




相手方弁護士は、二つの点で墓穴を掘ってしまった。


まず、一つ目。



「構造上の独立性」については、かなり古い有名な判例があるのだ。

これを調べていないとなると、弁護士としては能力的にも職務上の意識の上でも非常に問題がある程度の重要判例なんですわ。



相手方弁護士が言うような完全密閉説に対して、最高裁判所は、以下のように定義している。




「建物の区分所有等に関する法律一条にいう構造上他の部分と区分された建物部分とは、建物の構成部分である隔壁、階層等により独立した物的支配に適する程度に他の部分と遮断され、その範囲が明確であることをもつて足り、必ずしも周囲すべてが完全に遮蔽されていることを要しないものと解するのが相当である」(最判昭和56年6月18日民集35巻4号798頁)



…天井があろうと無かろうと構わないのです。
住んでいるところが明確に区別されてる程度に遮断されていさえすれば、ね。



それから。


本件建物は、天井が無く、屋根まで分厚い壁で遮断されている。



…つまり、判例でも相手方弁護士の主張でも、構造上の独立性に争いが無い状態になってしまうのですわ;;




馬鹿め。
自分で自分の首を絞めやがった;;

こちらは、市の図面の写しを示しつつ、本件建物の過去の状況を説明し、更に、法的観点から反論、建物の状態まで写真で説明しました。




そして、当日。


裁判官は、図面の原本を確認するため、文書提出の嘱託申立てを行ってほしい(相手方弁護士への嫌味なのか、『法務局はすぐに出しますから』と相手方弁護士と依頼人とを見比べながら言っていた(笑))、それで出てきたら該当部分を謄写して証拠として提出して欲しい、すぐに証拠として採用するから、と言っていました。

それから、成立するかどうかは分かりませんがと前置きしつつも、時効の点について、こう切り出しました。



まず、時効取得は、占有した部分を時効取得するものであるし、相手方弁護士の主張にも一理あって、面積の率で共有持ち分が決まるのだから、占有部分の床面積の測量図面を出してほしい、と。


そして、このように付け加えられました。


また、このように占有した部分を取得するのだから、共有持ち分ではなく、建物の占有部分のみを取得する法律構成を考えて欲しい、と。また、その方が良いように思えると。



…なるほど。
ワタクシたちの理解としては、つまるところ、これだけ構造上の独立性がはっきりしてしまった以上、共有持分ではなく、建物の専有部分を取得する、つまり区分所有権を時効取得したとして、区分建物の登記を求める主張と法律構成に変えて欲しいと暗に求めてきていたのではないでしょうか。


最後に、こう付け加えるのを忘れませんでした。



「こういう方向で進めていきますので。」



…この間、たったの10分余りの時間でしたが、裁判官は依頼人ばかりに話しかけ、相手方弁護士はほとんど無視。まして、成立するかどうかは分かりませんがと言いつつ、「この方向で」と言うのですから何をか況やというところですね(笑)。

相手方弁護士は、今まで横柄な態度に終始していたのに、この日は最初から縮こまった態度で、何も言おうとしませんでした。さすがに最後に言われたことでワサワサと何か言おうとしましたが、裁判官に「反論の機会は与えてあげるから」と言われて抑えられてしまいました。

最後は、したこともない挨拶を丁寧にして帰って行きました。



しかし、難題です。

法律構成はともかく、訴えの趣旨をどのように変えるのか。登記まで行うとして、それを判決として求めることができるのか。


これは難題ですよ;;


判決にし得るよう、こちらから訴えの趣旨と法律構成を打ち直さなければならない。
しかし、裁判官は、こちらはそれができると思っている。


…頑張りますわ。




それにしても。

今回の事が終れば、弁護士のしたことは、公に…明らかにするからね(怒)。

首を洗っとけよ。業界にいれなくなるかもしれんから。
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by uneyama_shachyuu | 2013-02-09 19:04 | 司法書士編。