色々と悩む。

今週中に、ほぼ進路が決定します。
今は、それをはっきり言う事ができない程、どの道を進めば良いか、悩んでおります。

…別の視点から見れば、かな~り贅沢な悩みだと、自分でも思います。

ただ、うちに来てくれ!と言って下さる企業が現れ、とてもびっくりしたのは間違い無い。
それも、日本でもしっかりとした企業と誰もが思う会社からです。

ワタクシも捨てたものではない!(笑)




前回、日本製の機械式時計について書きましたが。

あれから調べて見ると、シチズンが、機械式を作っていないのか?と思うと、実は、かな~りビミョーですね。

シチズンは、あまり知られて居ない事ですが、世界最多のムーブメント供給量を誇るメーカーです。

で、今は、機械式も、子会社化したシチズンミヨタ株式会社によって作られている状態です。

その上、少し前に復刻した、クリスタルセブンなどは、シチズンではなく、こともあろうにセイコー系からパーツの一部が入っているという噂があります。

これは、シチズンの考え方があります。
シチズンは、機械式を臨む声は一時的なブームに過ぎないと考え、供給するつもりがないのです。

…昔は、本当に良い機械式を出していたのになあ~。
電池式が世界を席巻し、機械式へと回帰したのは、ただのブームではないと思うんですけどねぇ。

というのも、今、若者からのグランドセイコーへの憧れの声もあるという事実は、一体どのようにとらえれば良いのでしょうか?




さて。
前回は日本製だったので、今回は、スイスのメーカーたちへの考えを書いて見たいと思います。

ワタクシを含め、スイスと聞けば、誰もが「高けぇ!」というイメージがあると思います。

確かに、電池式の1万もすれば買える時計に比べれば、数十倍~数百倍!も値段が違うものもあります。

ですが。
スイスのメーカーたちは、それぞれ考え方が違うんですよね。拘りも違いがあるし。

今の日本メーカーでも拘りがあるのは、はっきり言ってセイコーとオリエントくらいなものだと思います。

シチズンは、拘る方向が世界でも独自の世界ですし、カシオは、独自の市場形成に走ってしまいましたし、

ただ、スイスのメーカーは、日本製とは根本的に違う点があるんですね。

よく分かって居ませんでした。




大げさな言い方をすれば、ですね。
全く知らない人が中身を見れば、スイスメーカーは、名前が違うだけとまで言うこともできるかもしれない、ということ。

というのも。
スイスのメーカーでは、ムーブメント(キャリパー)を内製しているメーカーは殆ど無いと言う事実。


これは、前回書いた、クォーツ・ショック(※スイス側からは『クォーツ・クライシス』とも言う)のせいなんですね。調べて見てびっくりした。

どちらの事実も繋げて考えるという事を知りませんでした。


つまり。
セイコーを始めとする日本製のクォーツが世界を席巻し、アメリカのメーカーはアメリカ内製を諦めてアジアに逃亡し、存亡の危機に陥ったスイスメーカーは、ムーブメント専門メーカーから供給を受けたり、技術工房に開発を委託する状態になったのです。


下の図は、時計三昧からお借りして来ました。

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: マニュファクチュール (時計製造を自社のみで一貫生産する時計メーカー)
黒 : エタブリスール (パーツを仕入れ、加工、調整し時計を完成させる一般メーカー)
: ムーブメント専門メーカー(自社あるいはエボーシェからムーブメントを製造するメーカー)

(※詳しい説明は、スイス時計業界図 を参照して下さい。)

この図を見れば、何と再編されている業界だと誰でも思うと同時に、スイスと言えども、今は自前の手作りが殆ど無いという事に気が付くと思います。


でも。
名前が違うだけかよ?!などと言う筈がない。



日本人の一番人気は、ロレックス、ついでオメガだそうです。



ワタクシは、オメガはともかく、ロレックスは好みではありません。というより、欲しいモデルが見つからなかったと言う事と、メーカーの姿勢に特徴を感じなかったというのが、ワタクシの感想です。

オメガは、やはり何と言っても世界で唯一『月に行った』時計メーカー(※今でも宇宙飛行士の腕時計はオメガに決められている。アポロ13号は、酸素タンクが爆発し、地球帰還を時計頼りにならざるを得ない事態に陥ったが、当時飛行士の腕に付けていたスピードマスターによってタイミングが正確に測られ、無事帰還できたというエピソードがあるから。驚いた事に、このエピソードはただの偶然で、当時、市販のモノを着けていたに過ぎなかったという)だからねぇ。

ここは、確かにムーブメント(※形式記号・番号を伴うパーツとしての呼び名は『キャリパー』という)は、自前では作っていませんが、入ってきたキャリパーをオメガの内部基準に則り、全て分解・調整するので、その信頼性は素晴らしいと思います。

F1のミハエル・シューマッハは、ここと契約する前から愛用していて、それを知ったオメガは彼と契約。ウォッチ セレクションズ ミハエル・シューマッハも作られて居ます。

…まあ、シューマッハかどうかではなく、他のオメガには全く興味は無いけれど、スピードマスターは欲しいし、シューマッハモデルの『赤』の文字盤はそそるねぇ(笑)。


で。
ワタクシが本気で狙っているのは、ブライトリングです。

航空機や船舶での使用では、本当に愛用されているものです。
物によっては、空軍パイロットによって実験されているほど。

上の図では、ブライトリングは、独立している系統です。
そして、会社の姿勢にもそれは表れて居ます。

何しろ、100%クロノメーター化宣言(※クロノメーターについてはこちらを参照)をしており、クロノメーター認定書が全ての商品に付けてくるという拘り様なんです。

それだけ精密性への拘りもあり、その姿勢がワタクシの歓声にピッタリだったので、セイコーと並んで、ゆくゆくは手に入れる事を確信しております。




ところで。
このムーブメントの問題は、簡単に言えば、レーシング・チームと同じと考えると、とても分かりやすい。

…え?やっぱり分かりにくいですか??(汗)

自動車レースは、F1を除き、殆どの場合がレーシング・カー・メーカー(※コンストラクター)によって製造されたものを買いいれ、レースに参戦します。

共同開発したりして、半分自分のところで作る形でする場合もあります。

レースカーは、メーカーの基準で、エンジンを積んである状態にさえなれば、全てそのまま走り出しても構わないところまで正確に組み上げられています。

しかし、入庫してから、そのままエンジンをかけて走り出すレース・チームは一つもありません。

必ずネジ一本に至るまで分解し、チームの独自の基準で組み上げ直し、サスペンションやその他の独自パーツを組み込んで、そのチーム独自のクルマにカスタマイズするのが常識です。

ですから、スイスのメーカーも、同じキャリパーを使っていながら、丸で品質が異なる事があるのは、これと同じで、そのキャリパーに対してどこまで追求しているかによって性能差が出る訳です。




ところで。
このようにキャリパーの問題があったのですが、去年、大変ショッキングなニュースが発表されました。

上の図で出てくるETA(※エタ)社は、世界最大の機械式キャリパー製造会社ですが、上の図で言えば、スウォッチ・グループ以外のグループにも供給していたんですね。だからこそ、スイスのメーカーは、割と安心して自分達の想う時計を作り続けて来たんですね。

ところが。
去年の11月、ETA社は、他グループへの供給を2010年までに順次減らして行く旨を突然発表しました。

その意図がどのあたりにあるのか、未だに憶測が飛んでおり、はっきりしませんが、ETA社のキャリパーを使用しているメーカーは、大変多く…というより、ムーブメントから一貫生産できるメーカー(※マニュファクチュール)は、実は世界で数えるほどしかないので、これからまたまた業界再編がおきるのでしょう。

内製するのか、どこかのキャリパー・メーカーを抱え込むか合併するのか…どちらにせよ、これからは、多かれ少なかれマニュファクチュールに近付く姿になるのではないでしょうか?

ロレックスだって、マニュファクチュールになったのは、僅か6年前なんです。
ロレックスのブランドの一つチュードル(※日本には未導入)などは、ロレックスのケースにETA社のキャリパーを入れてある商品なんですね(※日本でもメンテナンスをロレックスに発注できるそうです)。

しかし、これからは、全てのメーカーが、何らかの模索をする事でしょう。

(※こうして見ると、いかに日本のメーカーが凄いかがよく分かる。勿論、ムーブメントを融通し合う事も無い訳ではないが、殆どが内製まに近い姿だから。安いものは、ムーブメントに至るまで海外で作られているけれども、それはどこもよくある事ね。特に、完全に日本製の高級な物などは、完全な一貫生産。グランドセイコーなどか良い例。実は、セイコー一社で、スイスの製造本数の何倍かの本数を製造してしまっているのに、セイコーは、スイスでも極めて理想的と言える程の『マニュファクチュール』であったりするのだ。まして、スイスのキャリパーで使われる「ひげゼンマイ」は、殆ど一社で作られている状態。だから、スイス・メーカーでは、オリエントのパーツ群に目を付けているという噂がしきり。ありえない話でもないと思うなあ。)



とにかく。
機械式時計は、中々楽しい世界ですね。
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by uneyama_shachyuu | 2006-07-09 03:50 | 小人閑居