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最新判例応酬~♪

先日、「またまた疲れるわ(汗)」でも現在の状況を説明いたしましたが、現在の過払い金返還訴訟(事件名はほとんどが不当利得返還請求事件)では、判例の応酬になっていることを述べましたね。

…でも、正直に言うと、「時代は変わったなあ~」というところ。

というのは、昔は、自分たちが取った判決(書)が、全国津々浦々の法律関係者が手に入れて、主張の裏付け・立証のために、そのまま提出されるということは考えられなかったからです。

民事訴訟では、証明責任(本当は同じ意味ではないようにも思えるが、挙証責任、立証責任(本来は刑事訴訟用語)とも言い換えることが多い)というのがありまして、簡単な色分けで言えば、裁判所に自分の利益を認めてもらわないといけない側が負うのが原則…といえばええのんかな??(汗)

※ある事実の存否につき、裁判所が真偽不明(ノン・リケット)の状態にある場合、その事実を前提とする法律効果の発生・不発生について、当事者が負うべき不利益のこと。これだけでは分かりにくいんだな(汗)。例えば、「契約違反だ」(債務不履行)を主張する場合、不履行の存在を言う方は、契約(債務)の存在だけ(具体的には契約書)を証明すればよく、不履行側で「自分はちゃんとやったで??」と、契約の履行を行ったことを証明しなければならない。これと対で説明されるものに不法行為責任がある。例えば、自動車事故。この場合、相手の故意・過失まで、自己で被害を受けた側がほとんど全て証明しなければならないことになっている…これだから民事訴訟法は本だけの勉強がとっても難しい。実際には、交通事故の場合は、既に裁判所でのトラック・レコード(この場合は判例)が積み上げられているので、大体過失の割合が定められていて、ケースによってその割り振りを決めることになっている。その他の、例えば公害問題などでは、被害者側に証明責任の全てを負わせるのは、企業側に圧倒的に資料や資力があるから被害者側に酷だし何といっても常識から外れていて庶民感情に合わないから、被害者側には、被害とある程度の因果関係さえ証明できればよく、あとは証明責任の転換(本来負うべきでない側が証明責任を負う)ということも起きる。だから、刑事訴訟法よりも全ての手続きが画一性に乏しいから勉強していて具体性がないんだなこれが。でも、前々から言っているように、単純な過払い金訴訟の場合、論点は整理されて事実上四つくらいしかなく、あとは、それぞれが要件定立と当てはめを丁寧にする段階で、このような証明責任のなすり合いになるので、そのあたりで勉強になるから、訴訟に慣れるにはいい、という訳。

…で話を戻すと(汗)、この証明責任の中には、本来、判例については含まれていないはずなんですわ。

いわゆる公知の事実と同じ扱いという訳で。

ところが。
実際は、調べるといっても、地裁名と日付だけでは、事件番号が分からないといくら裁判所が調べるべきといっても調べるのは大変で、しかも、限られた労力と時間の中でする訳ですから、実際は調べていない筈で、逆にこちらが判決書(の写し)を提出すると、それが省かれる訳です。

そして、ここからが重要で、写しとは言っても本物の判決書。裁判官にとっては、自分と同じ裁判官が、それも、どの裁判所でどのくらいの地位にある人が、どのような理由付けで判断しているか?という実に生々しいものになりうるらしく、実際には判断にかなりの影響力があるのです。

そこで。
過払い金訴訟に限らず、昨今の裁判では、特に消費者問題では、この裁判例たる判決書の応酬になっている訳です。


そこで。
昔から法律の業界にいる人ならば、よくお分かりで。

そう。
世の中に、判例集以外の、それも直接判決書の写しが出回るということ、まして、裁判でバンバン判決書の写しが付けられて提出されるなんてことは、ごく最近までなかったんですよね。

それも、本当に全国で。

今では、雑誌の方が半年以上遅いという事態になっています。
※場合によっては一年近いことも多い。

皆様もお分かりですね。
勿論、これは、ネットの威力。

つい先日、アイフル完全敗訴の判決をとある事務所様からいただいたばかりでしたが、かねてから「これ、他の先生方にも使っていただいて良いですか?」とお願いしていたら、快諾して頂きまして。

で。
全国女性司法書士会という組織で頑張っていらっしゃる、この過払い金問題にお強い先生にお話ししたら、大変喜ばれまして。

皆さん、アイフルには手を焼いているから…彼らが盾に取る判決よりも後で、それも、中央の裁判所が一刀両断にしている、この判決の存在は知っていたけれど、判決書そのものは、まだ誰も持っていなかったので。

で。
FAXデータ(うちは、紙に出さずにデータとして保存しているものが多い)を直接PDFにしたものをお送りしたら…

…30分も経たずに、全国女性司法書士会の会員に宛ててメールで飛んでいきました(汗)。

多分、あの事務所様がお考えの時間とは全く異なるスピードで、事務所名と弁護士の方のお名前と共に、全国に知れ渡っていくことになるでしょう。

何故なら、ワタクシも早速、今回の訴訟を通じて知った判決集の中にこれを入れて、懇意の弁護士の方にお送りし、コメントし合っていたからです(笑)。


このような時代ですから。
ワタクシたちのような業界では、自分たちが勝った!という判決は、実は、凄まじいスピードで、他の先生たちにも多大な影響を持つ時代なんですよね。

それを可能にしているのが、ネット世界。
判決書のPDFを公開して下さる事務所も多く、また、兵庫弁護士会消費者問題判例検索システムなどでは、全国から判決書を募っています。

この業界にいる先生の方々は、是非、秘匿するのではなく、公開していただきたいと思います。



ふ~。
やっぱり、時代は変わったなあ。
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by uneyama_shachyuu | 2010-04-24 08:16 | 司法書士編。

またまた疲れるわ(汗)

いわゆる債務整理業界は、どうやら過当競争が激しく、中々お客さんが集まらない状況になってきているようです。

…ただ、何故か、ワタクシのところには、少ないチャンスから過払い案件も多く来て…年末から今年にかけて、何と20件くらいの過払い訴訟を抱えて大変でした。

勿論、こんな訴訟、勝てるのが普通だったのですが…

アイフルについては、も~大変になっています。

というのは昨年末から今年にかけて、いわゆる不当利得の悪意受益と貸金業法43条1項との関連を遮断し、善意を強く主張し、お陰で関西中の地裁判事(それも若くて頼りないマニュアル君みたいなタイプ)が動揺し、しきりに利息をカットして和解を勧めるようになってきたからです。

困ったものだ。


※ちなみに、100万円を超えないような簡裁事件では、相手はそのような集中攻撃をしないので(金がかかるから)、簡単に悪意受益を認める判決が出ています。



しかしながら。
各地の今年の判決を見ると、やっぱ相手方は負けているのよ。

で。
仕方がないから、アイフルの案件について、今までとは違い、ありったけの判決書の写しを集めるようになりました。

特に、今年の3月にアイフルがボロ負けした地裁判決が、ネットで探すと一件だけあったので、その弁護士事務所様にいきなり問い合わせ、「判決書をくれ!!頼む!!助けて!!」とお願いしたら、送ってくれた!

先生!
ありがとう!!

だから、アイフルも、その勝訴判決を利用するCFJも、この判決を利用して、何とか勝ちたいと思います(ただCFJはとんと仕事がないが(笑))。


もう一つは、武富士。

…昨日なんか、なんともバカバカしいことに、相手方の答弁書は出ていたが、具体的立証が何にもなかったので(その上、分断は計算書上は間に一ヶ月足らずで、しかも相手方はそのことには触れず、分断していないところに証書貸付を主張していた)、第二回口頭弁論期日でいきなり「結審してもいいですか?」攻撃が裁判長から下った(笑)←いえね、特に女性の判事に多いのですが、まじめに判決書を書く気がある裁判官は、この手の消費者金融にとっても辛く、すぐに二回目で結審してしまう方が結構いるのです。

この訴訟。
請求している金額だけで580万円だぜ(大汗)。

ええのん?


シンキ。
…ここは、まっっっっっっっっっったく分からん(汗)。

債権譲渡と過払い金債務の承継はいかに?という論点があるので、そこを丁寧に攻めればええのに、何故か、自分たちが勝った冒頭ゼロ計算を否定した判決ばかり出す←それも、ちょっと古め(汗)。

シンキは、「現在も進行中の問題である」とカッコつけて書いています。だから書いてやりましたよ。シンキが出してきた引き継いだ契約書から分かる事情の具体的な調査結果と共にね。

「確かに、被告の言うように現在進行形の問題であることは首肯できる。なぜなら、被告が挙げた判例よりも後の新しい判例を見ると、各地の地裁・高裁で冒頭ゼロを認める判決が数多く出されているからである」

イヤミだねぇ(笑)。自分でも、人が悪くなったなあと思います。


勿論、その他の判例もバッチリ…

最近、いわゆる分断(※途中、何年か取引が開いていて、その期間によっては一連計算をさせず、別々に計算しなければならないこと)が問題だったのですが、最高裁判決が矛盾した判決を出したからで、各地の地裁・高裁は、これについて、相殺の抗弁を訴訟で主張することを認める(508条参照)ことで、何とか同じ結果になるようにしている事例がかなり出ています。

相殺については、探すのに苦労しなくなったせいか(本当はちょっと古めのものしかなかったのに半年程度前のものも多くなったから)、とても主張し易くなりました。



というかね。
こういう裁判って、確かに相手方が暴れれば暴れるほど、色々と問題が多くなるんですけど…

特に若い弁護士さんや司法書士さんは、こういう裁判を通じて裁判の基礎を学ぶ部分ってあると思うんですけど…


スキルは上がらねぇ~。


だから、本当は、やりたい事でスキルを挙げて専門性を高めたいんですよ。

今は、M&A関連の業務の情報が、それこそどんどん入ってきて、秘密だけど(笑)、専門企業を立てる構想へも進もうとしている最中。

方や、SEOの技術も少しずつ分かってきて、色々と実験中。あたっているものもあり、市場の変化も分かってきて、こちらの方も分かってくれば、士業向けサイトのコンサルもできそう←やりたくないけどできるから、やらされそうになっている(汗)。

仕事も、何故か相続関連だけは入ってくる。

ふ~。
毎日、なにやらと大変に過ごしています。
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by uneyama_shachyuu | 2010-04-16 22:50 | 司法書士編。

誰か教えて(汗)

さてさて。
ワタクシの新事業というのは、いわゆる「アドバイザリー契約」というもの。

事業承継のコンサルティングや、特にM&Aでは主体的活そーとー重要な任務となるので、報酬もそれなり。

ばらしても、どうやら我々の業界にどうということは無さそうなので、ちょっと書いてみます。



ところで。
最近、「○○士法違反」という話題が出てくるんですけど…

ワタクシは、「アドバイザリー契約は、弁護士法72条に違反しないのか?」という点が、ずっと気になっていた訳です。

しかし、弁護士さんたちに訊くと、特にそれを問題視している人は全くおらず…

曰く、「コンサル業務でしょう?」という方が殆ど。

そこで、コンサルティングやアドバイスをする業務は、弁護士法72条違反にならないのか?
何故なら、相手方と結構交渉したりしている訳ですよね?


結論から言えば。

「法律事務にはあたらない」

という回答。

これは、とある勉強会で、M&A関係者から大手弁護士事務所のM&A等を担当する弁護士さんからの回答でした。

どういうことか?といえば。

質問に対する回答の中で出てきたものでした。

質問は、「双方代理は、アドバイザリー契約に適用されるか?」というもの。

回答としては、「そもそも双方代理が観念される契約ではない」というものでした。

理由は、とても簡単。

「純然たる『代理』契約ではないから」。

う~む。ちょっと分かりにくい。

つまり、です。

双方「代理」の代理権とは、正しく法律行為の代理(委任契約も含む)で、そうだとすれば、アドバイザリー契約の「代理」とは一体何なのか?ということ。

アドバイザリー契約の中には、確かに委任契約も含まれているんですね。

例えば、相手方会社の情報を得た場合の速やかなる開示義務、交渉する過程での事務的なものに関するものの他、独占条項などが盛り込まれる相当強固な委任関係と守秘義務などか含まれています。

しかし。
※アドバイザリー契約は、そもそも相手方との最終的契約関係に至るまでの業務と助言を委託されるのみで、契約の意思表示(「契約する」として自分たちの名前で契約書にサインする)を代理することは一切ないから、ということなのだそうです。


※アドバイザリー契約は、日本では実に説明しづらい契約。有名契約(民法その他に規定される典型的な契約のこと。売買契約など)とは反対に、つまるところ、無名契約(規定がない)に属するものになる。業務的に一言で言えば、準委任契約(法律行為以外の代理権を与えるもの)にあたり、純然たる代理契約ではない。そんな理由からか、アドバイザリー契約は、一般に「代理権なき委任契約」などと言われることが多い。また、弁護士法72条の「法律事務」の法的性質について争いがあり、行政書士側が言う「事件性必要説」に立ったら勿論、日弁連が主張する「事件性不要説」に立ったとしても、これらはあくまで助言をする業務(コンサルティング業務)であり、法律事務には当たらないと考えているらしい。また、法律行為の代理でもないとすれば、確かに双方代理は観念できない。M&Aなどでは、売り手・買い手両側からアドバイザリー契約を取ってしまっても構わないことになる(これにはもっと大きな問題も絡む)。しかし、アドバイザリー契約は、もしも契約が成立したら、かなりの報酬が見込まれることになっている。としたら、これは法律事務ではないのか?ということになってしまう。しかし、アドバイザリー契約は、契約を成立させる義務はなく、あくまで、売り手・買い手の意思決定に対する助言と助力が業務で、その手数料は契約が成功した場合に限るとした契約内容という訳。勿論、会計面でのDDなら公認会計士さん、法務DDや交渉、基本合意書(LOI)・覚書(MOU)の作成では弁護士さんなどを入れるのが普通で、ここではしっかり代理権が与えられることになる。では、弁護士さんの事務所でM&A案件をどうしているか?というと、代理契約でも結べばいいのに、実際はアドバイザリー契約を締結しているのが現状らしい。つまり、売買の委任を受けることは稀、ということ。そりゃそうだ。PMI(統合後のシナジー効果を高めるあらゆる計画策定とマネジメント)なんてのは、経営者、場合によっては経営コンサルタント、その他の専門家も入れないととても作れない。それだけ、M&Aという世界は特殊と言えるだろう。ところで、「双方アドバイザリー契約」は取り放題か?といったら、これはこれで問題が大きいらしい。詳しくは語れないが、大手M&A専門会社は平気でこれを取っているそうな。しかし、これだと、本来的には双方から委託されている義務がぶつかる。だからこそ、売り手・買い手のどちらかのFAになるのが筋というもの。うちも、しばらくは、基本的に売り手側のみFAになる方針。とにかく、基本的に、この業務は、「誰がやっても良い業務」(特に資格が必要というわけではない)ということになるが、行政書士さんは勿論、司法書士さんたちも、「職域拡大には法改正」ということに躍起になり、この手の話になると、知ろうともしないか、あるいは知ったかぶりをして黙り込むことが大半を占める。何故だ?どうして参入する話にならない?その上、事業承継の勉強会は、いつも相続と株式の種類と価格、節税対策ばかりで、後継者選定や育成、経営革新、M&A手法の研究は、どこでも一切出てこない。バカバカしい。全部の方向をカバーして初めて良心的サービスといえるもの。

いえね。
訴訟業務なんて、過払いも含め、も~潰れていく業務です。
来年も、再来年も続くでしょうけれど、これに頼っているのもバカバカしい。スキルがぜ~んぜん付かないし。

さあて。
今年の夏までは、相当しんどいですね。
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by uneyama_shachyuu | 2010-04-01 17:41 | 司法書士編。