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法律の世界をドラマにすると…

最近…というか、以前から人気がある「カバチタレ!」シリーズ

行政書士の試験レベルを意味無く上げてしまった…という原因となった(??)マンガ&ドラマですね。

さてさて。
では実際はどうなのでしょう??

…まず、とても違和感があるのは、行政書士自身が自らを定義して「法律家」と名乗っていること。

日本では、法律家=法曹界の方々を意味するのが普通で、総務省管轄の国家資格では、中々言い辛いのではないかなあ。ワタクシたちも、法律家とは名乗りませんし~。

というのも、法律家という言葉は、最終的には訴訟に代理人として携われるのか?という一点にかかっている訳で、いわゆる事件性必要説(弁護士法72条の『法律事務』とは、紛争性のある法律事務)に立ったとして、いくら事件性が無い時点で関わることができようが、訴訟に関わった時点で行政書士法または弁護士法違反となる点、変わらない訳ですから。


…ここで、本音を言いますと…

どうもね、訴訟を裏から手引きしているのではないか?と思われる事件に、時々出くわします。

内容証明で出してくる警告書その他の書面も同じ。

内容が甘いか、酷い場合は無茶苦茶で、法律に無知を丸出しで出してくるセンセもかな~りいるんですよ。

ここが問題だなあ。

いえね。
本当に能力があって、名前を隠しているのなら、こちらもそれ相応に対応して「本人が書いたもの」として扱いたいと思っているのですよ。

しかし…
形式以外、法的構成や主張に甘さが目立つ、または中身が無い、法律や判例に無知だから無茶苦茶を書いてくるということが、大変多いんですよね。


うちで扱っていた事件では、会社を辞めたのに給料を支払わないケースで関わっていた、という事例がありました。

電話で話しましたからね。

内容証明の中では、「横領だ!背任だ!窃盗だ!」と脅し、「告訴するぞ?されたくなければ、こちらの条件の和解書にサインしろ!」とか、他の社員に言いふらしていることを自白していた訳で。

…ええ、そうです。
名誉毀損と強要、脅迫、告訴すれば虚偽罪告訴罪に当たる行為で、この指摘が向こうのセンセに話したところ…

…条文の意味を知らない…

仕方が無いので、構成要件の中身を教えると、途端に相当ビビッていました。

何と、彼は、これら全ての構成要件を殆ど知らずにわめいていたことを電話で知ったのでした。

脅しゃ~まま何でも通ってきたのではないかしら??

やれやれ(汗)。

…なお、訴訟では、裁判官に「被告が『横領している』とされているものは何ですか?」という質問に対し、こちらの指摘以後、相手が困り果てて出してきた言い訳の内容証明を出して説明しました。

原告は答えましたよ。

「相手は、会社から交付していた健康保険証と主張しています」と。

既に、社会保険事務所で雇用保険を貰うために、相手に返還済みのもの。

…裁判官が声を立てて失笑したのは言うまでもありません(大汗)。

ここで問題なのは。

一回目の答弁書は、形式的にはかなり優れたものだったが、二回目以降は、とんでもない準備書面ばかりになってしまったこと。

別人が書いたとしか思えない文書の違いです。

素人が、一回目の答弁書を真似して書いたとしか思えないもの。

…もはや、どういう事情が後ろに隠されているか、お分かりになるでしょう。


こういう事態に、何度も出会うんですよね。
その度、勿論勝ちは頂きます(笑)。



過日、日行連は、日弁連と日司連に合意書を取られ、他士業分野の業務開放の政治活動しないという合意を取られ、やっと獲得したのがADR分野の介入でした。

…でもね。
これ、結構痛手だったかも。
というのは、事実上、弁護士会でのお叱りを許容しなければならなくなり、弁護士法違反があった場合、所属会に告げ口して弁護士会に呼び出し、お叱りを加える…ということがあると、先日聞きました。

まあ、逆に言えばそれだけで、資格を失うには至っていないのですが…あまりにも酷かった場合、資格を失うようにするために告発されたりするし(事実、逮捕される例も出ている)、そういうことがあれば、ADRすら潰す可能性も無きにしも非ず(※法務省が手薬煉引いて待っているかも)。




ワタクシたちも、偉そうなことは申せません。

地裁事件で複雑な事案だったり、専門性が高い事件だったり、訴訟代理人に任せた方が良い場合でお金も払える人なら、ワタクシたちのよく知っている、人柄も能力も専門性も優れた弁護士の方にお話を振ります。

依頼人には大変喜ばれます。
何故なら、うちに来られる方々は、数々の弁護士の方々に断られてしまったケースが多いのです←だからこそ、うちが支援して本人訴訟で勝ったことも多いんですけどね。

優れた弁護士の方と知己になったという喜びもあるのでしょう。



それから。
ドラマをご覧になられた方々にも、どーしても申し上げたいことが。

あのシリーズは、いわば、法律問題の入り口、または初級編です。

あんな問題ばっかりだったら、仕事は楽々です。

逆に言えば、あんなことばかりが「法律実務だ!」などという勘違いをしてこの世界に入ったら、とんでもない痛い目に遭わされるでしょう。

しかし、また反対に、ワタクシたち程度の司法書士事務所が扱う事件ですら、ドラマにしたいほどの内容(公開できないものが多い;;)があったりもするんですけどね。




今は、新たな業界に参入したい希望で一杯。

でも…

沢山の過払い訴訟と民事再生と破産で手一杯(大涙)。

本当に死にそうです。
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by uneyama_shachyuu | 2010-01-21 22:23 | 司法書士編。

まだ終わっていないのですが

まだ終わっていない事件なのですが…

うちのお客さんだった人(彼)とその婚約者(彼女)の事件を一年以上かけて訴訟で争っているんですけど…

最初は「不当な扱いで負けるのか…」と思える裁判でした。

事件は、大体以下のもんです。



婚約者の方がビール一杯程度を飲んで帰って来ようとした時、彼氏がバイクで迎えに来たんですけど、何しろレーサー・レプリカだったので、もしかすると危ないと思ったお二人はタクシーを捕まえました。

ところが、その運転手(もう70代のジジイ)、何があったのか知らないけれど、バイクが横にいるのを知りながら、後ろのドアをバイクのマフラー後部に思いっきりぶつけて、マフラーを破損!

一応、事故として後で処理することになったのに、乗り込んだ彼女に因縁をつけ、脅し続け、わざと急ブレーキを踏んで負傷させ、タクシーから降りれなくした上、挙句の果てに自ら暴力をふるい、身体的、後に精神的なダメージに及ぶ傷害を負わせる事態となりました。

勿論全て警察沙汰。

タクシー会社は、そのジジイをクビにして、後は素知らぬ顔で一切賠償に応じなかった、という事件です。

タクシー乗務中ということで、運転手本人へは不法行為、会社へは使用者責任等を追及した訴訟です。



さてさて。

これは、簡易裁判所での事件となりました。

裁判では、相手方(ただしタクシー会社のみ)が弁護士を雇い、ふざけた答弁を繰り返しました。

何しろ、事件は存在しないと繰り返していましたからね。

で、です。

まず、交通事故の事故証明も、裁判所の扱いは、「『接触』とあるけれど、どんな程度だ?色々あるだろうから、軽いものだってあるだろう?怪我もウソでは?」と最初はウソ扱い。相手方に弁護士が出ていることを重要視しているようでした。

…あんまり腹立つから、当時入院していたうちのジイ様に写真を見せ、退院後、一緒に準備書面を作成して提出しました。

写真は、事件当日、タクシー会社の営業所で話し合うときに、当該車両をくまなく撮影していたものでした。

つまり、被害者たちは、あらゆる手段を使い、証拠を掻き集めていて、それがあることを弁護士も知らなかったのです。


…ええ、そうですとも。

相手方は勿論、裁判所の扱いは一変!

この証明を機に、相手方弁護人は、まともな答弁ができなくなっていきます。

何しろ、「細かい写真にも写らない小さな傷は、営業車だからあるが、当方の確認では、『バイクのマフラーに接触したような傷跡は一切無かった』」と知ったかぶりしてウソをつき、裁判所でも大声で答弁していたのに、うちから提出された写真は、車両のナンバーから何から何まで車体を写したもので、その写真には、誰がどのように見ても分かる丸く大きく塗装が抉られた跡がくっきり写っているものでしたから。

後は、バイクの損傷の写真を見せて因果関係を証明すればOK。

裁判所は、特にこの物損事件については、ほとんど審理しなくなりました。終わったと。

弁護士は、答弁を求められましたけれど、答弁書でウソを書いたのがばれたんですから、法廷でもモゴモゴ。何を言ったか分かりません(バカ)。

そして、問題は…

事件が副検事から地検に飛ばされ、再捜査が行われる事態になったことが我々から伝えられ、弁護士は勿論、裁判官の顔は見るも無残なほどに硬直しておりました。

当然です。
地検がこれほどまでに扱う事件です。無事では済みますまい。

さらに、こちらが提出しているものは、法医学教室での鑑定を除き、全て検察にも渡っている(後に、ワタクシたちがお二人から聞き取り、本人が内容を確認した陳述書(暴行の経過を示す詳細な地図付き)も提出。被害者曰く、『警察や検察で作成していたものよりも圧倒的に詳しかった』らしく、検察からも提出を求められました)ので、一緒の証拠で、略式命令しか扱った事が無い書記官上がりの簡易裁判所判事が、いい加減な扱いをした上、特に民事上「無罪判決」などを出したら、とんでもない恥さらしになります。

その後、一年近く経った先日、こちらから提出された被害者たちの陳述書に基づき、本人尋問と証人尋問が行われました。

ただし、この訴訟中、加害者は一切出廷しません。正に悪質。

この尋問は、3時間もかけて行われ、その生々しい陳述が法廷で行われました。

弁護士は、陳述書を見て、期日直前になって、「これこのとおり、ジジイはチビで、しかも70も後半だ。相手方が言うような暴行などできるはずが無い!」…ということを示す(つもりの)健康診断書台帳を出してきましたが、「相手は、警察に着いても警察官二人に羽交い絞めにされるほどの大暴れをしていましたけれど、何か?」との証言が披瀝された途端、木っ端微塵に撃沈。何も言わなくなりました(笑)。

裁判官は、身を乗り出してじっと聞き、被害者がタクシーに閉じ込められ、凄まじい恐怖を味わうような行動を加害者が取っていた場面になって、弁護士は、被害者たちの観察では震えだしていたそうです(※弁護士が知らされていた事情とは全く異なり、大変悪質な事件だとやっとわかったからだとよ。後にうちのジイ様に白状しやがった。自分のプライドだろ?ウソをつけ!ウソの答弁書出して得意気だったくせに(嘲笑))。

裁判所の判断は、損害賠償の内容の審理をしますので、次回、原告が立証して下さい」との事。事実上、相手方は終わりです。裁判官の心証は公言されたようなものだし、相手方には何も立証する手立てが無いからです。


※副検事から地検の検事に移り、再捜査まで命じられたと言う事実は、相手方弁護士にも裁判所にも本当に大きな衝撃となったようだ。まあ否認事件だったから(略式起訴・命令は自白事件のみ)なのだが、これは、とりもなおさず、略式起訴から通常起訴に移る可能性が高いことを示しており、事件は重大なものに扱われていることが分かるからだ。事実、この傷害事件は、ジジイが否認を繰り返し、それで済むと思っていたらしいが、数々の証拠に加え、法医学教室の鑑定まで行われ、傷害が被害者の供述どおりの行為で生じたものとズバリと鑑定した上、電話で警察を呼び出したときの記録があり、再捜査の結果、余りにも悪質ということで、この度、通常の起訴が正式に決定した旨、被害者たちにも加害者にも通知されている。それを伝えられた裁判所と弁護士の唖然とした顔は、正に見るも無残なものだった。当然である。検察は、実は中々起訴しようとはしない。まして、ある意味で申し訳ないけれど、この程度の傷害では尚更なのだ。ということは、立証は全てできると判断されているのと悪質性の印象を検察官が強く持っている証拠。事態は、向こうにとっては坂を転げるように悪化したことを指し示している。なお、そのジジイは、現在既に呆けたようになってしまっているという。事態の重さに今になって気がついたらしい。馬鹿者めが(嘲笑)。罰金(執行猶予は無い)か実刑か(3年以下なら執行猶予)は分からないが、ここまで否認したのだから、このままでは執行猶予が与えられる刑にはならないかもしれない。


…とまあ、悔しいけれど、相手方が弁護士だと、尻込みする簡裁判事もいるにはいるけれど、とにかく丁寧に粘り強く活動し、立証し続けた原告たちとジイ様を誉めてやってつかあさい。
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by uneyama_shachyuu | 2009-12-12 21:24 | 司法書士編。