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濫りに訴訟を起こす=濫訴

訴訟の現場におられる方々でも、その資格(弁護士・司法書士)や、事務所の規模、先生が好んで受けられる事件の性質によって、その事務所がどんな訴訟をしているかがかなり変わるんですけど。

例えば、ワタクシが存じ上げている大阪でも有名な大きな事務所(弁護士数は、それでも80人ほど)などは、バライエティに富んだ事件を扱っておられますが、やはり企業法務を扱われるので、これは高等なものも多いですね。

他方、ワタクシたちのような土着の零細事務所では、実に庶民的な訴訟が多くなります。

今、うちで扱っている訴訟の中でも、見たことがないないようなおバカな訴訟で、呆れております。
大手の事務所では、バカバカしくて、やる気が起きないでしょう。
あ…ただし、ちゃんと着手金と報酬が出るとすれば美味しいお仕事かもしれませんが。


ええとねぇ…
個人情報もありますので、細かいことは申せませんが…

①法人の債権を個人が自分のものとして訴えている。

②証拠が訳の分からないものを並べ立てている。

③同じ事件(証拠も含む)で、幾つも幾つも、しかもどれも違う裁判所に起こす。



…こういうのをね、正に濫訴っちゅうんですよね。


まず、①などは、勿論のことではありますが、訴訟提起の段階で書記官に撥ねられ、訴状訂正書で『法人格を否認』するという荒業を使って訴訟係属させていました(汗)。

…あのね。
法人格の否認は、とても難しく、正に最後の手段(一般法理)であるし、第一、これは通常法人の相手方側が使うもので、しかも、この立証はかなり厳格です。

法人が現存している以上、「おれっちはね~法人制度を利用しているだけで、ホントは『同一』なのよ~」というたった一言書いた訴状訂正書と準備書面(らしき小学生の作文の数々)だけでは認められません。

…この時点で、債権は自分にはないと自白しているようなもの。

②は、そもそも当事者同士に債権の発生を示すものが何もない(汗)。
簡単に言えば、直接の証拠はおろか、それを間接的に示すものか何もないのです。
中には、既に終わった他者同士の証拠を原因として訴えを起こすなどというバカバカしさ(大汗)。

③はですね~…
既に事件地で訴訟提起したものがありながら、各地で同じ事件と証拠で訴訟を起こしたら、一体どんな反撃があるかを知らないのですから、後ろにいる事件屋どもがド素人ということを示しています←こういうイヤミと嫌がらせを目的とする訴訟を起こすと、裁判所もバカではありませんからすぐに勘付くし、それ相応の対応を取り易い方向になります。

今回は簡易裁判所での事件でしたから、口頭弁論後に司法委員とお話をする機会があったのですが、どうやら裁判官ととある心証を固めており、結果は見えているのですが、それを割りとざっくばらんに言って頂けるとは…殆どそんな機会はございません。また、この背景には事件屋たちの匂いをプンプンと感じておられるご様子でしたが、相手方を含めて全く評価していませんでした。


…国家資格といっても、司法に携われるのは、基本的に弁護士と司法書士だけですから、それ以外人達が後ろにつくと、も~大体訴状その他の資料を見ただけで分かります。

体裁は整っている…とまではいかなくてもそれなりの形程度にはなっているのですが、「…これ、一つ一つ答えんといかんの??」という論点がぼやけたものになっているからです。

とにかく、独り善がりでいい気になって法廷に来ていますから。

バカバカしいですけど、もう少し、これに付き合わないと。



あ。
ご報告がもう一つ。

ワタクシのところの事務所は、先輩先生を代表とし、新たに事務所を開く形で生まれ変わることになりました。

ジジイは、顧問になります。


今後も事務所一同頑張って参ります。

by uneyama_shachyuu | 2010-09-08 17:26 | 司法書士編。