本人訴訟での反応。

ワタクシたちの仕事には、本人訴訟もあります。

で。







「この裁判の見通しってどうよ?」





…あのですね。
これは、案件によって違います!

うちのサイトをつぶさに読んで来られる方々は、まあその率は少ないんですけど、証拠も無いのに「勝てるやろ?」などと思い込んで、高飛車に言ってくるお方が、結構散見される事。




本人訴訟にも色々ありまして。

論点は単純だけど、証拠とその説明が思ったよりも大変とか。

弁護士さんでもあまり見た事は無いけれど、しっかり最高裁判例が出ている論点を争う裁判とか。


最近、司法統計を見ると、本人訴訟(一部報道では『弁護士なし裁判』などというらしい)が年々増加しているのが見受けられます。

…過払い訴訟が増えたからとちゃうん?と思っていたんですけど、どうもそうじゃないらしい。


あくまで、「自分でやる!」とおっしゃる方々も、うちには数多く来られます。

それも、弁護士さんを入れないでやりたい、と。

費用もあるのでしょうけれど、こりゃどちらも本人訴訟になる上に、相手方には落ち度が多すぎる、さらに証拠がしっかりしているとなると、最近の方々はよく勉強されていますから、ある程度きちんとした弁論方針を決定すれば、後は訴状その他裁判所への提出書類の問題…というところに落ち着いてくる。



さて。
この手の本人訴訟は、最近の司法制度改革の関係でしょうか?

最近の裁判所は、割と丁寧に色々と判断してくれますね。ちょっと驚き。

特に、司法書士が絡むと(※お江戸地裁だけ除く)、送達受取人に司法書士を指定しても、まあ歓迎まではしてくれませんが(暗に態度で示す時もあるけどね)、大変良好な対応をしてくれますし、場合によっては、※釈明を通じて、プロ同士、お互いの心証がうっすらと(場合によってははっきりと)伝わるようなことも多いんですね。

ご本人には分からない事が多いので、依頼人には「何となくですがこんな感じ??」という注釈は付けますが、論点と証拠がはっきりしている訴訟では、割と法廷での※釈明により、行方がかなり分かりやすくなる場合も、実際は多く見られますね。



※釈明権

裁判所の権能の一つで、事実関係や法律関係を明らかにするため、当事者に対して事実上あるいは法律上の事項について裁判所が質問を発し、または立証を促すことをいう。例えば、「これこれを主張していますが、意味が分からないので明確に」とか、「これこれを主張されるのであれば、これについて○○などを提出して証明して下さい」などという場合のこと。本来、民事訴訟は、事実・証拠の収集を当事者の権能と責任に委ねるという弁論主義を採用しているが、そのまま当事者に任せていると、何について審理を進めているのかが全体としてぼやけたり、法律的な知識のない法律弱者に対してあまりにも不公平な裁判になってしまったりするので、弁論主義に対して裁判所に一定の介入権限を与えている訳だ。ただし、「権」とされているが、実は裁判所の義務なので、これを明らかに怠っていると考えられる場合、上訴(控訴・上告)の理由とされ、上訴された裁判で下級審の結果が否定される事もある。



ここだけ(??)の話。

うちが送達受取人になっている場合、書記官を通じて釈明を受ける時に、裁判官の疑問や心証が明らかになることが多い。


今、うちで幾つか本人訴訟を受けているのですが、その内の一つは訴えたばかりで、これ、最高裁判決も絡んでいるけれど、訴状提出段階で書記官さんたちが討議した時、何を訴えているかが分からず、「最高裁判例があるんやけど?」と言ったらびっくりして(でもおかしい。訴状に指摘しているのに(汗))、一ヶ月も裁判官の読み込みに時間がかけられた代物。丁度裁判官の入れ替わりの時期にもなるので、後任のために、こういうところを準備書面で明らかにして欲しいと伝えられたりもしました。結論が見えているような感じです。だってそれは…いえ、今は言えませんが、暗に結論を言っているようにしか考えられない場合もある訳です。

こういう場合は、法廷でその心証が、尚一層はっきりします。


他の一件などは、相手方にも司法書士がついている(ただし、自分の名前は一切出さない。うちは必ず出します。そうすると、最近の裁判所(お江戸地裁除く)は、代理人に準じて扱ってくれる事が殆どです)んですけど、この司法書士が、最初の答弁書で、何と訴状に関する認否をすっ飛ばし、ある主張にのみ固執し自爆&落とし穴を掘る(※この主張をしてしまうと、他の可能性を自ら完全に否定する上に、一番弱い武器を取ってしまう)という暴挙をしてしまったため、裁判所がその主張を逆手に取って「そのような主張をするなら○○を『必ず』提出して証明して下さい」と反対にひねり返してしまったという事態が生じました。

訴状には、色々な事情を書いて明らかにしたんですけど、この司法書士は、文章だけは格調高いんですけど、「…原告の訴状って意味ない内容空っぽじゃ~ん♪」などと平気で書き(…確かに文章が長くなってしまったが、それは事情がいささか複雑だったためで、勿論、裁判官は、ちゃんとその書いた意図・意味を全て理解していた)、おかしいな~と思っていたところ、専門家ぶっているだけのヒトという相手だったという事が、第二回の期日ではっきりしました。

何と、最初にしてしまった暴挙を拡大再生産してしまったからです。



正直、唖然としました。
原告は大変な勉強家なので、全部理解していますし、裁判官にもそれが伝わっています。
こちらは、当然、こんな反論、あんな反論が出てくるだろうから、訴訟に準備してこう進めたいですね、と原告と話し合っていたんですけど、それが全て不必要になってしまった。

なにゆえ、自爆モードに簡単に突入してしまったのかと言えば、法律構成が全くできないことを強く感じました。

それができていないから、こちらの訴状の主張に引きずられ、論点が『そこ』しかないという錯覚に陥り、法律の専門家なら誰でも思いつくような極めて基本的で強固な武器を全く使わず、自ら否定してしまい、簡単に一番弱いものを取ってしまったこと(何しろ依頼人の名前一つまともに覚えていなかったから、誤ってこちらに情報ダダ漏れにしたしね(汗))、訴状には相手方にも有利な情報も載せていたのに、全く使わなかったばかりか、暗に認めてしまうというタワケ行為をしてしまったこと、さらに、裁判所にまでそれを見透かされ、あえて主張せず、代わりにこんなものを主張するというのなら、きちんと証明しなさい(ただし、これは地獄の立証でほとんど不可能、仮に証明できても権利の根拠としては後の法廷ですぐに意味が無くなる程度のもの)と言われてしまったこと、裁判官の釈明にビビって尚一層、その主張にのみ固執し、期日引き伸ばし策まで取ってしまい、裁判官を怒らせてしまったこと…もうおバカの枚挙に暇がござんせん(笑)。



これは、司法書士だけに限らず、昨今は弁護士にまでこういうヒトがいました。

びっくりしますけど、裁判所もバカバカしくなって、結審してしまうことも多いですね~。



こういうヒトには、ある性癖があります。

何ででしょうね?

「私の経験では…うん、何とかなるだろう。任せなさい」とか、「これは勝てます!」と簡単に言ってしまうこと。

何故か、必ずと言っていいほど、この類の発言を平気でしてしまうんですよね。

ワタクシたちの場合、相手方が優秀なヒトであるとしたら…ということを前提に、主張の反論を組み立て、武器を考えます。

とすれば、どうしてもリスクを説明しない訳にいかないですよね。勝つ可能性と同時に、負ける可能性も探るんです。

そういうことを一切しないで、自分だけの世界に入ってしまって自分に酔うタイプに近いですねぇ。

こういうヒトは、何と言えば良いかな…筋肉モリモリのメジャー・リーガーに見えるが、こんなストレートも打てん!転びながら三振する、実は大振りなだけの扇風機打者という感じかな?



久しぶりに、あまりの暴挙に呆れてしまいました。

こんなヒト、業界にいるんやなあ。依頼人、大迷惑やろな。



あ。
うちでは、勝てるかどうかを考え、見込みが無ければ最初からムリと言いますし、勝てそうだけど、またはまだどちらともいえないが、勝てるかもしれないという場合、どうしても戦いたい!と仰る場合で、これは本人訴訟はハナからムリというものは、全て優秀でワタクシたちが信頼が置ける弁護士さんたちにお任せするようお勧めし、実際、それで喜ばれています(つまり、その多くは勝っちゃうのね)。
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by uneyama_shachyuu | 2011-02-23 23:15 | 司法書士編。