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まあ~こんな人もおるのが世の中。

最近、うちで受けた訴訟で、相続して住んでいる人が家の登記していなかった事を奇貨として、登記書類を『偽造』して自分に登記してしまい、その人へ明渡訴訟を提起してきた事案というのがあります。

その相続した人が依頼人です。つまり、被告。

相手方は、まあ「その筋」にいたけど、どうも外ではあまり強く出れない小心者の癖に、知っている人間にはとてつもなくデッカイ態度でいる人らしい。

今までは、そうして人を泣かせては威張ってきていた人。

だからでしょうか?

こんなあからさまな犯罪行為(※刑法159条1項「私文書偽造罪」、同161条1項「偽造有印私文書行使罪」、同157条1項後段「電磁的公正証書原本不実記録罪」)を平気でやってしまった訳で。



※このケース…今まで見たこともないほどあからさまな上に杜撰極まりないものだったのよ。相手方は、今までは相手が泣き寝入りしてきたからだろうけれど、自分(と自分が依頼した専門家たち)が作った書類は法務局で閲覧できるということも知らなかった訳で、調べて写真に撮られりゃもう終わりなのだよ(笑)。で、見た書類は…もうお話ししても始まらん程どうしようもない物だった。だってそうでしょ?様々な署名した人たちの名前が違うのに、筆跡が特徴があって同じものが大変多い;;誰が見たって偽造丸出しだった(大汗)。これで世の中通ると思ったのだろうか?

※この訴訟は、割と異例の手続きが取られている。通常、口頭弁論で争っていくものだが、今回は最初の口頭弁論期日の後に2回目から弁論準備手続きが置かれている。それも、次回期日もこれになるという。弁論準備手続きというのは、文字通り口頭弁論の前段階で準備するためのもので、論点や証拠整理、また立証手段などの選択をあらかじめ行っておくというもの。それほど大したことは無い明渡訴訟で行われるというのは聞いたことがない。それだけ、裁判官の重要視する態度が明らかというもの。



この訴訟、まず最初に気にかかったのは、登記が自分にあるのを利用してヤーさんに家を叩き売られ、原告が途中で入れ替わる事でした。ワタクシは、むしろこれが目的ではないのか?を最初に疑いました。うちのジジイも依頼人も、これを聞いて確かにそうだと思った。

そこで、譲渡禁止の仮処分を申し立てたのでした。

仮処分(命令)というのは、前もって権利関係などを仮に固定しておく民事保全法の裁判です。これで、仮に相手方が売買を行っても移転登記は免れます(正確にはしてもこちらに対抗できない)。

この手続きを行うには、本訴訟でもこちらが主張する(筈)の理由を※『疎明』する必要があります。

仮処分は、ちょっとだけすったもんだはありましたが、割とすぐに素直に認められ、これが、後々効いてくることになりました。仮処分が認められた訴訟であれば、やはりその処分命令の理由が認められたことにもある程度影響を受けざるを得ないからです。




※疎明とは、裁判官に「一応確からしい」との心証を与える程度の証明活動のこと。これに対して証明とは、裁判官に「間違いないな」と確信を得さしめる証明活動のこと。

※なお、有名な楳図かずおの自宅問題がある。当時の事については、こちらこちらこちらを参照。



我々の依頼人(被告)は、答弁書の段階で偽造の事実を挙げ、さらに反訴も提起しました。第一回口頭弁論の時に既に反訴提起を裁判官に言ったところ、大変驚いておりましたが、相手方弁護士は、全然驚いていなかった様子です。さすがに弁護士として、答弁書を見て危険を感じていたのでしょう。

そして、弁論準備手続きの期日では、裁判官は、論点を整理し、おそらく原告には立証は難しいだろう(被告も難しいけど)と言い、特に依頼人の反訴について立証を促している様子です。

裁判官は、反訴状と本訴の答弁書、準備書面、提出証拠を大変よく見ていました。「この反訴で大体の事は分かりました」と言っていましたから。反訴状の中の表現で一部訂正の釈明はありましたが、それ以上の訂正などは全くなし。次回期日で終わりなんてことは絶対しない、どんなことが必要か、何を出したいか、時間をかけて構わないから何でも言ってほしいと言われております。


相手方弁護士は、かなりふてくされている態度です(※第一、言われた期日までに準備書面も反訴答弁書も出しては来ず、ギリギリに出してくる有様だった)。




…正直、全く予想もしていなかった展開です。

さてさて??
最後はどうなることやら????


※主張立証内容に関しては、現在のところ伏せておきます。





追伸。

あ~、彼女とは仲良くやっていますよ。

後9か月もしたら、お互い色々な準備が済みますね。

今日は、またまた映画と買い物に行って参ります。

買い物は…いつも持っているカバンを何とかして;;という苦情の為です(笑)。

by uneyama_shachyuu | 2012-06-23 08:19 | 司法書士編。