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今のところ。

今のところ…

父親の事務所にいます。
他にも就職活動をしましたが、あまり芳しくなく。

あと幾つか残っているので、そこを受けたら、検討して決めたいと思っています。


さて。
先日、知り合いの方から、司法書士ならばこういうような人間ドラマがあるのでしょうか?というご質問というか、疑問を伺いました。

さてさて。
確かに、この業界…司法書士や弁護士には、『人間ドラマ』が存在します。

…というより…
あまり知りたくない『人間ドラマ』を沢山垣間見る事になる、というのが正確なのではないでしょうか?(汗)



例えば、相続問題。

先に結論から言っちゃうとねぇ。

これについてだけは、大げさではなく、信用できる司法書士から相談すると良いと思いますよ~。

行政書士は、そもそも司法関係の業務は、法律上相当程度省かれているので、殆どが逸脱業務になっているのが現状かもしれない。

それは、ともかく。
何故、司法書士なのか?というと…

弁護士は、実は、相続関連の調査が苦手な人が、かなり多いからです。

ワタクシも、最近つくづく思い知ったような次第。

一番良い例は、相続登記なんですよ。
逆に言えば、相続登記があるから、司法書士は相続に極端にうるさいのです。


※これは、試験問題にも現れている。司法試験では、親族相続法と呼ばれる民法の部分は、殆ど知らなくても合格できる可能性が高い。しかし、司法書士は、知らなければ合格は殆ど不可能なくらい詳しく出される。


相続は、被相続人(※つまり、相続させようとする人。親が一番分かり易い)の死亡によって開始します。

で、財産の中で、不動産について、相続が決定し、それを登記簿に載せよう、とした時、一番起こるのが、「親の前の前の世代から相続登記を済ませていない!」事が判明する事なんです。

この場合、まずやらないといけないのは…

相続人全員を確定する事。

これが確定している登記手続の書類でないと、法務局は全く受け付けないので、登記できず、自分達の権利を他の人に対抗できない(※主張しきれないと思ってください)状態に置かれます。

ところが。
これが、一般の人にはとても意外だと思うんですけど。

弁護士さんは、事の外、この手の作業に手落ちがあるんです。

では、「相続人を確定」って、一体どんな事をするんでしょうか?
答えは、簡単です。

戸籍を調べる事です。

「な~~~~~~んだ!そんな事か~!」

…などと簡単にお考えになったアナタ!

もし、これが簡単ならば、弁護士さんでなくとも、調査に手落ちが生ずる事も無い筈です。
そうですよね?

では、何で手落ちが出るんでしょうか?

これも、答えは簡単です。

戸籍を調べるのは、実はかなりのテクニックが要るから。

???と思いますよね。
ワタクシも、そう思いました。逆の意味で。

ワタクシは当たり前と思っていたので、大して不思議ではなかったから、理解で来ていなかった。


※ここからは、お父さんからの相続関係を基本にして話します。


皆さんの戸籍は、どのようにしているでしょうか?

ご両親の戸籍の中に入れておられる方。
結婚されて、ご両親の戸籍から除籍され、新たに編成なされた方。

これらの戸籍ですが、引越しの度に、引越し先に戸籍も移転(※除籍と編成)するのでしょうか?それとも、今まで動かされていないのでしょうか?

古い田舎の人は、実は、住民票は移しても、戸籍は移動させない傾向がかなり高いです。

これには、隠された色々な理由があるのですが、ここでは省略しましょう。

逆に、引越しの都度、その住所地に戸籍を編成し直す方おられます。

こうすると、離婚の経歴は、新しい戸籍からは消されてしまうという効果があるので、びっくりするほどの回数、移している方もおられるのです。

さあて!本題です!

ではでは、親の前の前の世代から相続登記を怠っていて、「ひいじいさん」名義だった不動産を自分名義にする場合はどうでしょうか?

親の前の前の世代から怠っていた相続登記に必要な「相続証明書類(戸籍・住民票等)」は、一体どこの時点のものから必要なのでしょうか?

皆さん、決して勘違いしてはいけませんよ~?
「親の前の前の世代から」という言葉にご用心。

そうです。
親の前の前の世代の戸籍(※除籍票)から、亡くなった方々の戸籍(※除籍票)と、相続人全員の現在の戸籍・住民票に至るまで、移転したところから次の移転先まで、ほぼ全て接続している状態の戸籍全部が必要なのです。

戸籍は、移動して次の戸籍を編成しても、前の戸籍は「除籍」と言って、80年程保存されます。ですから、新しく作り作りしても、追いかける事は可能です。そして、これが全て必要となる。

この場合、親やその前の人、そのまた前の人の戸籍の場合、少なくとも12~3才頃から死亡の旨の記載のあるまでの接続した戸籍、除籍、 改正原戸籍などの謄本全部という事になっているらしい。

何故12,3歳かというと…
少なくとも、この歳からは子供が出来る事もありえるという可能性を捨てないからなのです(汗)。

もしも、親の前の前の世代から、引越しのたんびに戸籍を移動させる癖のある一族だったら…全ての戸籍を接続させるまで、一体どれくらいの改正原戸籍・戸籍・除籍謄本が必要なのか?!

場合によっては、何十通も必要になったりするのです!(大汗)。


何故、こんなにも集める必要があるのでしょう?!



先ほど、離婚暦が消える場合があるという事を申し上げました。
離婚に伴い、子供さんまでお母さんの戸籍に入れる(※入籍届)手続をすれば、除籍(※簡単に言えば、「×」で消される)ので、移した次の戸籍には、その親子は反映されない可能性があるのです。

認知した場合も同じ。母親の戸籍なので、移動させると分からなくなってしまう場合がある。

そうです!

もしも、移転の履歴全てを接続せず、歯抜けだったり、現在のものしかなかったりしたら…

子供であり、立派に相続人となりうる人がいながら、現在の戸籍だけでは「全く存在しない」ということになってしまうからなのです!

そして、相続は、被相続人が死亡したのを知ってから3ヶ月以内に決める事が必要となります。裏を返せば、知らない間は、無視されたその人には相続は開始していないのと同じ状態なのです。

法務局は、このような可能性がある以上、接続が歯抜けの戸籍は絶対認めないのです。

そして!
こんなに古い時代から相続登記をしていないと、今時死語としか言いようが無い、家督相続などということから登記簿に反映させないといけないんだってさ(笑)。信じられないよな~。こんな時代(※少なくとも昭和23年以前)の法律が出て来るなんでねぇ~。



と・こ・ろ・が!!

弁護士さんと、地裁判事さんは、戸籍を読めない(大汗)。

読めないというか、実に適当な読み方しかしない場合がかなり多い。

例外は、家庭裁判所の判事さん。この方々は、徹底して戸籍を調べます。当たり前です。専門として相続を扱うのですから(笑)。

司法書士の業界では、相続では、弁護士の持ってきた書類は、絶対信用していない場合が多い。






さて。
このように、戸籍を調べていくと、思わぬ事態に遭遇する事もあるのです。

じいちゃんばあちゃんだと思っていた、じいちゃん夫婦は…歳の離れた伯父さん夫婦だった…つまり、親御さんとじいちゃんが、実は兄弟で養子縁組をしていたが、そんな事は知らなかったという場合も、昔はあったようです。

これも、知らない分だけ『人間ドラマ』ですね。

また、相続人さんたちが、全く知らなかったところに、隠し子がいたなんて事も、ホンマにあった。

大変なショックですよねぇ~(汗)。

実際、弁護士さんがいい加減な調べ方をして、相続が一応決着し、「いざ相続登記!」の段階で別に相続人がいる事が発覚!まして、その相続人がごねにごねて、決まっていた相続そのものが木っ端微塵!…なんて事態も、実際ままあったりするのです。今までにもそういう事例には遭遇した事がある。でも、ワタクシにはどうも原因がイマイチ分かっていませんでした。


他にも、人間生活の深淵に触れる『人間ドラマ』が盛り沢山!




だから、法律業界は、面白いけれど疲れるのです(涙)。

by uneyama_shachyuu | 2006-08-04 22:01 | 司法書士編。