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まあ、慌てなさんな。

今は、どこもかしこも『北朝鮮、核実験!』の話題で持ちきりですな。

ですが。

まあ、まずは慌てなさんな。

実際、騒ぎに騒いだところで、いきなり自分が死ぬわけでもない。
まずは、正確な情報があがるまでは、何も慌てる必要は無い。

大体、中国の出方一つ取ったって、やれ、「拒否権は行使しないだろう」とか、それ、「いや、七章決議には断固として反対するだろう」とか、未だに全くよく分からない情報が出回り、実際どちらとも取れる情報がはびこり、どれがどれやら、海のものとも山のものともつかない情報が出回っている状態ですな。


ここで面白おかしく考えていたら、そのテンションに慣れてしまい、本当の危機状態が来た時、それが分からなくなるということもある。貧すれば鈍すとはよく言ったものだ、と思う。落ちれば落ちるほど、感性が鈍くなって、落ちる一方になるのは、自分でも経験済みだが、これと同じような事が、こういう危機状態にも起こるような気がする。



さて。
こういう時は、物事の中心から視点を図ずらして見ると、得てして中心が見えやすくなるもの。

今は、その中心点が、人によって様々に置かれている状態だから、全く像がぼやけて見える、というのが本当のところだろう。





いやね。
人って、段々歳を取ってくると、「ああ、自分って何て早合点だったんだ~」と思う瞬間って、ありません?

例えば、ロッテに一位指名された、大嶺くんのことにしたって、そう。
あるブログでは、「ルールに従え!プロになりたいんだろうが!」、鬼の首でも取ったかのように言うおバカさんもいる。


確かに、何でもルールを振りかざせば、そうなるかもね。
特にね、法律の世界じゃあ、ルールはルールでも、『何か』が原因で全くうまくいかないという事態にばかり遭遇する。

しかし、それは何故か?ですわ。

思い知る事も多いけれど、つくづく人間は、薄っぺらじゃないわ。




個人情報もあるから、詳しくは言えないけれど、まあ、こんなこともある、と思って読んで見て欲しい。

今、ここに四人の兄弟がいる。
そして、お父さんが亡くなって、相続が始まった。

兄弟といっても、末弟は、どうやら奥さんでない方が産んで、認知された人。

遺言書もなく、法定相続になり、その相続登記その他の遺産分割協議をする事について、うちの事務所が選ばれた。

中身としては、単なる法定相続分の話。
…問題ではあるが、非嫡出子については、嫡出子の半分ということになっている。

確かに、ルールはルール。
法定相続分の話では、それ以外は無い事になっている。


しかし。
末弟は、遺産分割協議に全く応じない。

兄弟が話をしようとしても、話もへったくれもない。
何をどうしたいのかも、一切分からない、ときた!


さて?
ここをご覧の皆さん。

アナタだったら、どう思う?



上で書いた人のように、ルール一点張り?
そうしたら、裁判所の世話になる??

…それも、一つの解決方法かもしれない。
大嶺くんを非難する、ケツの青い世間知らずの若造だったら、最初からケンカごしに解決しようとするだろう。

「どうせ、金欲しさだろ?」という露骨な態度をとって…


確かに、相続というルールの一点だけについては、『解決』とも言う事が出来る。
しかし、それを得るまでに、どうしようもない傷も残り、実際の解決にはなっていない。




問題は、ね。
この人が、『一切』話そうとしてくれないという点に気が付かなければならない。

それは。
逆に、『どうしても話したい事がある、聞いて欲しい事がある』というメッセージの裏返しともとれる訳だ。


もし、そのことに気が付けば、相続を離れ、話をしてみる事が大切。



我々は、そう感じて、腹を割って、今の気持ちを話してくれないか?と話した。

この時の末弟のお話。

彼は、確かに強いメッセージを送っていた。
だが、彼の兄弟たちは、全く気が付かなかった。
その中身も、気が付かなかった。



それは…

彼のお母さんが、本妻、親戚中に苛められ、それでも必死に彼を育てていた事だった。

彼ら親子は、本妻側には想像も付かない苦汁をなめ、それでも必死に生きていたんですね。
本当に大変だったようです。ちょっと言い表せないな。

そんな事は、兄弟たちは、全く知らなかった。

自分たちの母親が、親戚が、どれだけ酷い仕打ちをしていたのか、全く知らずにオッサンたちになっていた。

その上、心無い事に、金欲しさにごねると決め付けて、話をもってきたという点も、浅はかだった。



末弟は、兄弟たちを試していた。
しかし、彼らは、それに答えられていなかった。

彼は、成人して母親も養えるようになっている以上、金など別に欲しくは無かった。ただ、この事に気が付いて欲しかっただけだったのだ。




我々は、この事を兄弟たちに話した。
すると。

彼らは、心底驚いた。

本当に知らなかったのだ。
自分たちの親達が、一体どんな仕打ちをかれらに課していたのか。

彼らは、我々にこう言った。

「先生、ありがとうございました。こんな事でもなければ、彼らの気持ちなんか全く分からなかったです。」

彼らは、十分話してみるつもりだ、と言った。


で。
彼らは、末弟たちとよく話し合った。
彼らの気持ちとして、相続分を引きなおす、という話まで彼らからしたけれど。

末弟の方は、「もう十分分かって貰えたから」と言って、それまでの遺産分割協議書に判を押して渡してくれた、と言っていた。




さてさて。
相続という中心点ばかり見ていると、本当の問題点に気が付いただろうか?


大嶺くんの問題も、実に簡単だ。

ホークスはずっとスカウトが活動して接していてくれたから、球団もその中の人間も、よく分かって信用していたの対し、ロッテは、甲子園だけを見て、直前になって都会式に「取る」とだけ知らせて、後は「契約しろ!」では、人間関係を大切にする地方の人は、誰も信用はしない。

だったこれだけなのだ。

だから、ロッテは、ホークスとは違い、スカウト活動の不明を詫び、誠意をもって謝る事、でも、甲子園の姿を見て、どうしてもロッテに欲しかった、どうかうちに来て欲しいという熱意を伝える事、ただこの二つに徹すれば良いだけ。

これで、彼の気持ちは晴れるよ。




北朝鮮の事も、スケールが大きくなり、色々な情報を飛び交っている事から、余計に複雑にしてきた結果がこうなったのかもしれない。

まだよく分からんな。


ただ。
立場が違えば、同じものを見ても感じ方は違うものだ。



今から五年も前になるが。
あの9.11が起きた直後の話。

我が道場の同輩の友人は、その時、サウジアラビアにいた。
サウジでプラントを作っていた。

そして、あの事件が起きた。



さあて、ここで質問。

彼は、感想として、一体『何』と答えたでしょうか?


ここで、余計な情報を。
勿論、彼は、『純然たる日本人』(笑)。
さてさて?




答え。↓反転して見てね。
「本音としては、『ざまあみろ!』だよ。」



いいですか?
彼は、日本人なんですよ。

あの時の、ご自分の感想を一つ思い出して頂きたい。


…皆さん。
こんな回答、する??


彼は、既に中東におけるアメリカの立場を知っているんだよ。

そして、彼は、中東の仲間の立場と歴史、考え、感情の一部を共有したんだねぇ。




今回の事だって、北朝鮮は、こう考えた。

「核を持てば、攻撃はされない。今までだってそうではないか?パキスタン、インド、イスラエル…みんな核を持ったからだ!」



…これ、やっぱり早合点かもよ~。




今回、核実験直後に、アメリカの友人から電話を貰っていた。
曰く、「お!すげぇ!メディア全部が、この核実験ばかり扱っているぞ~!」だったが…

そこで、彼らの意図が、核を持てば…という話になった時。


…彼、一体何と答えたと思う?


またまた余計な情報として、彼は、少々オタク気はあるが、『純然たる日本人研究者(理学博士)』です(笑)。





答え。↓またまた反転。
「でもなあ、『北』なんて、アメリカには『何のメリットも無い国』やからなあ…潰してしまうのに、何の躊躇も無いような気がするよ。核なんか持ったら、大義名分を与えたようなものかも。逆に、バカバカしいから放ったらかし、かなあ。」


彼は、アメリカに住んで既に3年だし、アメリカ人の中で仕事をしているから、既に考え方も大国アメリカの立場で考える癖が付いているのです。

正に、アメリカは、国益のみで動く国という性質により、彼は、アメリカの国立の研究所で働いているのですから。




視点が近すぎれば、像は逆にぼやけて見える。
また、立場を変えれば、物事の違った局面が見える。

今の情報は、全てが『正解』であり、全てが『誤り』であると言って良い。

まだまだ、自分には色々な見方をするべき材料が与えられていないような気がするね。




今は、まだまだ論点の中心が見えない状態。
また、国民としては、大して何も出来ないのが実情だから、中心点が見えるまでは、その中心点が見えるまで、逆に遠くから注視していることが必要な気がする。

by uneyama_shachyuu | 2006-10-10 20:52 | 時事