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久しぶりに書いてみるか。植草君の事。

aiyaiyaiyai_yaさんのブログを見られるのが一番手っ取り早いのですが←だったらワタクシは書かなくても良いか~♪(笑)。

植草君の手に付いていた繊維の鑑定結果について、色々と物議をかもしている連中が存在するようです。

さてさて。
確かに、鑑定は所詮「鑑定」に過ぎないからねぇ。

科学的に分かっている範囲で、確実なところまでを鑑定しているに過ぎない。

だから、バカバカしい事だけれども、完全なる一致なんぞ、特に繊維から解れた糸などでは考えられない訳で、「一致していないじゃないか!」などと叫ぶ人もいるが、鑑定って、昔から結構『極めて類似している』という結果(言い方)が多いってご存知なのかねぇ?

一致…
例えば、指紋やDNAでも、「断定」という言葉になる事がある(『97%以上の確率』とかそんな言い方)んですわ。

当たり前だ。
指紋などは、双子などは相同性が8割以上、親子でも7割を超えることがある、と聞いてびっくりした事がある。

だから、採取の仕方によっては違う人のを採ってしまう確率も、低くはあるが存在する訳で、だからこそ、警察も慎重に採れる人の指紋は最初から採るんですねぇ。


今回の事に絞れば。
検察も、満更馬鹿では無いから、総合的に状況証拠として固めていって、『早い話、電車内で彼女のお尻をベタベタ触っている場合しかない』という高い蓋然性を立証するという基本通りの立証活動をするのでしょう。何しろ、この手の痴漢事件には直接証拠が考えられないのだから。

また、援護派は、スカートの四種類の構成繊維のうち、一種類しか付いていない「不自然さ」を何で報道しないのか?と言い立てていたが、あまり問題ないんじゃないかな?

自分の服でも見れば分かるが、繊維の解れ方は、材質によって一様ではないのが当たり前なので、抜けやすいものから付いていたのは、いわば当然の結果ではないかと思う。

※ワタクシも昔の鑑定書(医療過誤)というものを見たことがあるが、あれは壮絶だった。何しろ分厚いわ小さい字だわ、特に何を言っているのか見当も付かなかった点が大きい(汗)。あれを読んで理解しないといけない裁判官、泣くだろうね(涙)。この点、ワタクシが学生時代の同時期に弁護士さんに聞いたものだと、そりゃもういい加減な鑑定も数多くある、との事。特に交通事故などはその最たるものだったらしい。今でもいい加減な現場検証結果が証拠になったりするのでは?しかし、昔と違って、今の鑑定書の中には、ここまで詳しく書くか?と思うほど、発見されたものと他の材質との比較をして、その特徴を詳らかにしているというものも多くなっているそうだ。もうオタクと言っても良いくらいだなあ(笑)。警察の鑑定については、刑事訴訟法でも論点にされるほどメジャーな問題だが、裁判所の言うところでは、「彼らもプロだから、面子にかけてウソは言わないだろう」と昔から言われている。ホンマか?林真須美被告のスプリング8の鑑定などは、ワタクシの友人の研究者に訊いたら、素人さんが考えてもみない世界の機器で、その精度は桁外れ(※だから、使っているのは日本人よりも外国人研究者の方が圧倒的に多いそうだ)。何しろ、その能力のほんの少しだけ使っても、蟻の動いている消化器官から、しまいには蛍の発光体のタンパク質に至るまで分析できてしまうのだから、信じられないほど間違い無い精度で結果が出ると言っていたが、それがどれ程の物か?は、素人には判別できない。弁護側がどこの鑑定人に持って行っても「これは…」と反論できない程度まで、研究者も面子をかけて調べ上げているものだったんでしょうねぇ。とはいえ、あれだって、結局は「極めて類似している」という文言だったように思う。弁護側が再鑑定に出したからで、スプリング8での鑑定以外の方法では「微量過ぎて鑑定できないから、同一とは言えない」という結果を出したからだ。しかし、そういうものの研究のために作られた施設だからねぇ…とまれ、特に写真データなどの比較データまで詳しく出されて、専門用語が多く書かれた鑑定書は、実際裁判官も泣いているし、弁護側としては、そもそも理解出来ない弁護士ばかりだし(これが現実。知的財産問題も医療過誤も素人同然。仕方が無い。博士サマの弁護士そのものが少ないのだから)、仮に理解で来ても、高度化された機器であればあるほど、そのデータへの反論の余地を無くして行く。スプリング8は正に「人間では見えない世界を明らかにする」日本が世界に誇る設備であるから、弁護側がそれよりも精度が低い方法で反証しても、説得力が少ない。裁判官の心証を真偽不明に持っていくのは、日本では至難の業なのだろう。


とにかく、弁護側としては、専門家を依頼して、そこまで争って有罪!では、ホンマ顔が立たないだろうなあ…でも、「似ていない」という鑑定を出すのも難しいでしょうしねぇ(笑)。

まあ、植草君がわが苦労しても、ワタクシとしては、何ら痛痒を感じないのだが(笑)。

by uneyama_shachyuu | 2007-01-28 10:40 | 時事