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どう見えました??

昨日の内藤・亀田戦。
皆さんには、どのように見えました?

ワタクシ、第一ラウンドから見ましたが、最初の出方で、亀田家のタイプが思ったよりもはっきり分かったような気がしました。

亀田弟は、低いガード姿勢で突っ込むというスタイルを最初は貫いてきました。

しかし、あれを見て、咄嗟に思いましたね。

「ああ、なるほど。それほど『KO負けが怖い』のか」と。


もし、本当にボクシングに強いという自負があるのなら、あんなバカな姿勢はしません。

何故なら、あの姿勢からは、基本的な左右のジャブ・ストレートのコンビネーションは出せなくなるからです。

確かに、ガードが固く、また相手も間合いを掴めず、詰め寄られるので、KO負けは避けられる可能性が高まります。

しかし、あの姿勢から出せるのは、せいぜい飛び込むような感じでボディ・顔面横へのフック・アッパーという単発狙いの接近戦だけなのです。

つまり、単発勝負にならざるを得ないのです。

確かに、間合いを潰すという主眼点もあったでしょう。しかし、あの姿勢を出すということは、取りも直さず、自分たちのボクシングではまったく歯が立たないということを自白しているようなものなのです。

普通のスタンディングスタイルで打ち合えば、話にならないと心底では思っていたのでしょう。

ワタクシは、彼のパフォーマンスが嫌いで、試合を見たことがあまりありませんでした。

しかしまあ、あれほど大したテクニックを持っていないとは、思いませんでしたね。

正直、がっかりしました。


皆さんは、彼のボクシングをどう見ていたのでしょう?

ワタクシには、アマなんじゃない?という感じに見えました。

実は、ボクシングと言っても、プロ出身とアマ出身には、大まかにではありますが、癖みたいなものがあるのです。

それは、競技性の違いによって出てくるのだと思います。

アマでは、あまりKOの率が高くありません。
それなりにはあるんですが、それほどでもないのです。

防具もつけていますし、何よりも、パンチが当たったかどうかという採点基準があるからです。

これは、基本的には採点員が機会でボタンを押して数を数えるもので、オリンピックなどでは、何とコンピュータ採点なるものすらあるのです。


このようなアマチュア出身者には、ある弱点が付き纏うことがあります。

それは、単純にパンチ力が無いという可能性が高まることです。

勿論、全員にあるわけではありません。
指導を受けている時から、パンチ力を考えて練習している者には、最初からパンチ力があります。

しかし、ワタクシが見ていると、パンチ力が無いけれど上手い選手だと、調べて見ると、かなりの確立でアマ出身者である確率が高いのです。

まあ、当たれば良い練習をしているのだから、当たり前かもしれない。

しかし、プロのパンチ力を付けるという執着に比べれば、やはり薄いと言わざるを得ない。

体作りと、何よりもKOするという目標みたいなものへの執着心に根本的な差異があるように思えてなりません。


だから、プロの採点は、もっと違うのです。

基本は、アマと同じ。手数を重視はします。

しかし、それだけではありません。有効打の数・主導権なども重視するのです。

これは、印象点に近いです。しかし、プロではラウンドマストと言われるルールがあり、ラウンドごとに必ずどちらかに点を入れなければならないので、このような曖昧ではあるが基準を設けて点数を白黒ついてしまいます。

とはいうものの、やはりKOできるパンチ力があるか、少なくとも相手にダメージを与えられるパンチか?という点について、厳しく見ているのは間違いないと思います。

確かに、手数重視の試合になれば、有利にも働く。
アマ有利にも思える。
しかし、相手が上手さと強さを兼ね備えている場合、アマ出身者は往々にして自分のよさが何も出ずにKOされるということもあるんです。


ワタクシ、昨日まで亀田弟がそれほどまでにアマで成績を残しているとは知りませんでした。

しかし、試合を見ていると、どうもアマ臭い試合運びだったので、調べてみると、アマ戦跡を残していたんですね。

ああ、やっぱりと思いました。

彼の打ち方は、当てれば良いという腰の入らない速さだけのパンチばかりでした。

しかし、そのパンチも当たりませんでしたね。




最初に怖がっているのではないかと書いたのは、相手の良さを恐れ、KOされる恐怖感が強かったのではないか、と思えました。

面子でしょう。
あれだけ強気の発言をしていたのですから。

ですが、あのような発言の裏返しとして、丸でグレーシー一家のように形振りかまわなかったような印象を受けました。

でも、結局チャンピオンは、同じくらい低い姿勢で、間合いを盗み、打たれずに打つ、それも、見た目よりも強打を打ち込んでいましたね。



そして、問題の反則です。

バッティング(頭突き)は、はっきり言えば、未必の故意で、当たってもよしというところでわざとぶつかっていましたね。

あの目じりは、間違いなくバッティングです。

また、肘、サミング(親指を目に入れる目潰し攻撃)を多用していたと聞きました。

最悪だな。

もう、ボクシングで強さを見せ付けたいのではなく、ただ目立つための道具としてのボクシングということを彼らが考えているのは間違いなく、反吐がでそうです。




彼らの豪語は、ボクシングの自信から生まれるものではなさそうです。

風船みたいな自尊心だけの存在だという証明だったような試合でした。

by uneyama_shachyuu | 2007-10-12 13:24 | 時事