避けるほどでは…
今まで、このゲームに触れるのを避けている感じが…あったのは否めないなあ。
というのは、思っていることを書いても、非難が殺到するだけになったり、決して分かってはもらえないからなんですけど…
フリーのアドベンチャー・ゲームやサウンド・ノベルと言われるものの中では、大変評判が良い…というか、人によっては、ゲームの作者の基準とすべきと評価する方もいらっしゃる作品があります。
それは、「ハーバーランドでつかまえて」という作品。
※作者のサイトは、放置から7年、去年の末、削除されてしまいました。
ダウンロードは、こちら。
ただし、XPと2000は、エンディングにエラーあり。エラーの修正が知りたい方や攻略に困った方は、←のメールにて。
確かに、名作には違いないかもしれない。
しかし、ワタクシは、これをプレイした当時、レビューを書かれている方々とは、全く異なる感想を抱きました。
彼らのように、「いい話だなあ~♪」という単純な感動では、決してありえなかったのです。
どちらかと言うと、痛みが薄らいでいくような感触でした。
ワタクシは、あの地震の真っ只中にいて、あの直後、様々なものを見ましたし、経験もしました。
しかし、意外かもしれないけれど、このゲームのヒロインのような話は、そのまま存在していたのです。
だから、ゲームをしている時、決して笑ったり意外に感じたりせず、不謹慎ではありますが、ある意味の慣れと、それ以上に物語にもっと強い希望や元気を感じていました。
作者も、それをこそ望んでいたのだそうです。
ワタクシも、ゲームを通して、当時直接感じ取ることができました。
ただ、レビューを見ていると、冷静に違う角度で見ていたり、もっと言えば、物語の設定としてのシチュエーションの一部としか感じられない向きがあるように思えてなりません。
ワタクシには、かなり違和感が強かった。
非常によく出来た、ただ単なる恋愛ものと考えてゲームをするのも良いでしょう。
しかし、あの当時を知る者が紡ぎ出す話は、当時を知る者が見ると、経験者ならではの滲み出ている行間の感情が分かり、レビューのように冷徹に評価したり、単純にラブ・ストーリーとして楽しんだりするのは、ちょっと難しかった…
そして、レビューを書いていた人には悪いのですが、未経験の彼らには、一生分からない痛みと強い欲求をそのまま見過ごしてしまい、この作品からは共感できなかったでしょう。
ワタクシの場合、この作品のメッセージの方が、ずっと強い印象だったのです。
あの地震では、ワタクシの先輩も亡くなり、また別の尊敬する先輩の父上が、倒壊した家の屋根によって圧死された、ということもありました。
そして、地震が終わっても、様々な苦難や苦痛が残りました。
中には、住人の中で、一人の小学生だった子を除き、友人の弟さんも含め、全員が即死した倒壊マンションも近所にありました。
あの時、生き残った子は、お父さんだけが出張でおらず、再会したとき、お母さんが亡くなったという記憶が無くなっていた、と聞きました。
13年という月日をものともせずに、ワタクシの記憶は、亡くなった方、生き残った方をそのまま記憶の中に留めている力にも驚きます。
しかし、13年と言う月日は、生きている人に平等に流れていきます。
あの時の子も、当然二十歳を過ぎています。
人間は、辛い記憶が薄れていき、忘れていくように出来ています。
13年の年月には、「頭の中の消しゴム」という、強い力もあるのです。
「風化させてはならない」という方々もいらっしゃいます。
しかし、それは不可能というものです。
風化もまた、それで良し。
もし、「風化させてはならない」ものがあるとしたら、それはたった一つ。
教訓
ではないでしょうか?
学んだ事を忘れず、次に生かし、その教訓を次の世代に繋いでいく…
それでいい…とは言わないけれど、少なくともそうすることだけは必要だと思います。
もし、このゲームをしてみたいと思われる方。
是非、トゥルー・エンドまで導いてやって下さい。
物語の中だけでも、一人の女の子くらい、救ってやりたいではありませんか。
↑ただし、たった40分程度の短さで、異常な難しさです。
ハッピー・エンド意外、全く意味を成さない物語ですので、頑張ってみて下さい(笑)。
by uneyama_shachyuu | 2008-01-17 22:44 | 思い出。